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皆さんこんにちは!
川満総業合同会社、更新担当の中西です。
目次
今回のブログでは、建設現場に欠かせない「型枠工事」という仕事に焦点を当て、その環境や労働実態について詳しくご紹介します。
建築の基盤を支える“型枠工”たちの姿、直面している課題、そして今求められている改善の方向性まで、現場のリアルをお伝えします。
型枠工事とは、鉄筋コンクリート造の建築物において、コンクリートを打設する際にその「形」をつくるための型(=型枠)を組み立て、解体する作業です。
使用される型枠は、合板・木材・金属などで構成されており、打設されたコンクリートが固まった後、枠を外すことで建物の壁・柱・梁といった構造が出来上がります。
この工事の精度が、コンクリートの品質や建物の美観、強度、耐久性に直結するため、非常に重要な工程でありながら、一般にはあまり知られていない存在でもあります。
型枠工事の現場は、建設業の中でも特に“体力勝負”な現場です。以下のような厳しい環境のもとで、職人たちは日々汗を流しています。
炎天下・極寒での屋外作業
夏は40度近い気温、冬は氷点下の寒さの中での作業が続きます。日陰の少ない高層建設現場では熱中症のリスクが高く、真冬は指先の感覚がなくなるほどの冷え込みの中、慎重な作業が求められます。
高所での危険作業
足場の上や高層階で型枠を組み立てる作業は、常に転落や落下物のリスクと隣り合わせです。安全帯やヘルメット着用など基本的な安全対策は取られていても、100%の安全は保証されない現場です。
重作業の連続
型枠材料は1枚20kg以上のものもあり、それを担いで移動・固定・組み立て・解体という作業を繰り返します。腰痛や膝の痛みに悩まされる職人も多く、体の消耗は計り知れません。
近年、型枠業界が直面している最大の課題は「職人の高齢化」と「若者の職離れ」です。日本型枠工業会の調査によると、型枠工の平均年齢はすでに50歳を超えており、20代の新規参入者は全体の10%にも満たない状況です。
この背景には、以下のような理由が挙げられます。
3K(キツい・汚い・危険)のイメージ
技術習得に時間がかかる
給与水準が他業種に比べて安定しにくい
キャリアパスが見えにくい
このままでは将来的に“型枠を組める人がいない”という事態も現実味を帯びてきています。
型枠工事では、大量の木材(合板型枠)が使用され、それが使い捨てられることも少なくありません。合板型枠は数回の使用で反りや欠けが発生し、再利用が難しくなるため、廃棄物が多く出ます。これは森林資源の消費、処理時のCO₂排出といった環境負荷につながっています。
これに対して、以下のような環境配慮の取り組みが始まっています。
鋼製型枠(メタルフォーム)の導入:再利用可能で強度の高い型枠を活用することで、廃棄を大幅に削減。
型枠リースの普及:資材を購入せず、必要な期間だけ借りることでコストと環境負荷を軽減。
廃材の再資源化:使い終わった木材型枠をチップ化して再利用する動きも一部で始まっています。
型枠工事は、現場の最前線で建築の基礎を支える重要な役割を担っています。しかしその裏では、労働環境の厳しさ、人手不足、環境負荷という複合的な課題を抱えています。
今、業界には「働きやすい環境づくり」と「環境負荷の低減」の両立が求められており、その実現が次世代の型枠工事のあり方を左右するカギとなるでしょう。
次回もお楽しみに!
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